FLIER in Dark and Sensitive Room, Hours from Dawn to Dusk till Dawn

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NIPPON JOURNAL_02

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Xenar(M42)


NIPPON JOURNALとタイトルしておいて、ドイツの話というのもアレなのだが…
ドイツの原発行政10年史を何となく調べていて気付いた事…


1998_ 社会民主党(SPD)、緑の党、連立政権が成立。

2002_ 同連立政権によって、原子力法改正
      以後の原子力発電の電力量上限を、運用中の発電用原子炉19基がそれぞれ32年の
      寿命をもって生み出される総電力量(2兆6233億キロワット毎時)と定めた。

      これにより2020年代前半までに全ドイツの発電用原子炉が廃止される見込み
      となった。

      社会民主党と緑の党の連立政権は、その直後の総選挙にも再勝利。

2005_ キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)が僅差で社会民主党を破り、第一党となる。

      しかしキリスト教民主/社会同盟が、緑の党との連立工作に失敗した結果、メルケル首相
      のもとに大連立政権が誕生する事になる。
      これによってやはり、社会民主党シュレーダー政権の原子力政策は保全された。

2009_ キリスト教民主/社会同盟は総選挙にて大きく勝利、自由民主党(FDP)との連立政権に
      よって過半数の議席を取りまとめた。
      これによってCDU/CSUとFDP連立政権は、原子力法の修正に着手。

2010_ 10月28日、原子力法修正法案が連邦議会下院で可決。
      内容は原子炉の新たなる増設は禁止するという大前提はそのままに、古い8機の原発に
      ついては、8年、新しい9機の原発については14年の営業延長に相当する電力量を
      追加生産できる様に、総発電量上限を引き上げるというものである。
      ドイツ国内の17機を平均すると、約12年の寿命延長となる。

      これによってドイツの総原子炉廃止は、2020年代前半ではなく、2030年代となる
      見通しになった。


 メルケル首相がこの法改正を急いだのは、2002年時の原子力法に則れば、2機の原子炉閉鎖が、目前
に迫っていた事が理由としてあげられる。しかしその法改正は本質的に急場しのぎの様相を否定できず、
ドイツの脱原発政策は、根本的に揺らがなかった。

 そもそもドイツ電力業界側からの視点で考えると、2002年時の通称脱原発法案は、営業中の原子炉が
安全性能的に寿命を迎える前に廃止する代償として、その廃棄物処分や原子炉自体の破棄にかかる莫大な
費用を、連邦政府にも大きく負わせる事が出来るという、非常に有利な側面を持っていた。

 しかも建設原価を実質的に償却し終えた原子炉が、法改正によってただ寿命延長する事により、
火力発電に比べて大幅に安い原料コストで発電できる原子炉を営業延長できる事は、多大なる利益を
電力会社にもたらす訳で、要するに電力業界からすると必ずしも新原子炉の増設等は望まなくてもよい
という事なのである。

 つまりこれらから推察できるのは、原子力発電の経営リスクは、根源的に計り知れないほど高いという
事実を、ドイツ電力業界はずいぶん前から、十分にわきまえていたのだろうという事。


 日本における電力会社の企業行動などは、いくら調べてもこれほど将来を見据えた意思決定など、
1度もなされていないと確信できると同時に、原子力発電から脱却すると言う選択を、国民として打ち出す
為にはとてもじゃないが、ただ「ノー」と声を上げるだけではどうしようもないようにも感じるのだ。τ
by flierone | 2011-04-23 12:34

NIPPON JOURNAL ~postscript

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 原子力発電所についての内外世論を大量に観ていくと、それらはテクノロジーについての賛否、
コスト管理についての賛否、そしてそもそも、その不透明な成立史からくる存在意義についての
賛否論までが、バトルロイヤルのように入り乱れている事が解ってくる。

 当該国民の我々にしては、今本当に必要なのが有能な司会者なのか、それとも有能な主導者
なのか…その辺に相当な不安がある事を、後回しにしている気がするのだ。

 何故なら、容易に大量の専門情報が検索可能な今、多くの事情通の人達は議論を歓迎する態度を
見せておきながらその実、自分ならではの結論を自分で明示したいと考えている向きが多すぎる気が
するから…

 多様性を容認され過ぎた個人主義が、危ういバランスで成り立っている現代に、唯一の結論なんて
ありえないと思う訳で…

 信頼できる主導者チームとしての日本政府が、早急に必要だとしか思いつかないのだ。


 で、僕としては…
無人の山小屋で一夜を過ごす時、明る過ぎる光源が全く不必要で、むしろ不快にさえ思うあの感覚を
どうにか正確な言葉で、観念的でなく表現したいと思いつつ、気がついたら一週間くらい経過して
しまっていた。

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~add a postscript~

 ●2011.4.14
 原子力行政の是非という重大事に囚われすぎて、他の全ての思考がほとんど停止しているような状況
なのだが、どれ程情報収集しようとも自分の視座さえ定まらず、むしろ徐々に宙へと浮遊するように感じる
今日この頃…

 その日、その都度、気になった記事やエントリーを引用する事へと立ち戻ろうと思う。

 京都大学原子炉実験所助教授、小出裕章氏からもたらされる情報
「福島第一原発4号機…ストロンチウム」

 そもそも「原子力から電気を得る」という事が、テクノロジーとして完結していたのだろうか?という根源的な
部分を揺さぶられる記事なのだ。

 このブログ内で『危険性を訴えたら、監視・尾行された 迫害され続けた京都大学の原発研究者たち 熊取6人組』
というコンテンツも相当興味深い…


●2011.4.15
京都大学原子炉実験所助教授、小出裕章氏
【福島原発】2011/4/14/木★汚染水の循環と被曝限度量の基準について 1/2


京都大学原子炉実験所助教授、小出裕章氏
【福島原発】2011/4/14/木★汚染水の循環と被曝限度量の基準について 2/2



2011/4/12/火★最悪の「レベル7」引き上げの意味~小出裕章

『巨大地震が原発を襲うとき - 廃絶すべき浜岡原発 -』
2008年10月26日(pdfファイル 計24ページ)

 二年以上前に発表されたこの資料は、東電コメントの「想定外」という言葉が今、絶対に許されない事を
如実に物語っている。
 根源的な、原子力発電というものの実体が、我々にも明瞭に理解できる資料なのだ。

元福島原発技術者、菊地洋一氏、浜岡原発に関する訴え
http://www.youtube.com/watch?v=gNWVljrvl3o&sns=em

 ●2011.4.17
「原発がどんなものか知って欲しい」平井憲夫

「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」
神戸大学~石橋克彦教授 【衆議院予算委員会公聴会】2005年2月23日
by flierone | 2011-04-08 18:46